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スターアライアンス世界一周特典航空券の概要紹介

前回の記事でご紹介した通り、2025年6月23日を以てスターアライアンス世界一周特典航空券の制度が廃止されることが決まっているため、今さらあまり需要がないかもしれませんが、先日の発券にあたりいろいろ調べたこともありせっかくなので紹介します。

※廃止されるのは世界一周「特典」航空券であり、世界一周「有償」航空券は継続されます。

目次

スターアライアンス世界一周特典航空券のルール説明

スターアライアンス世界一周特典航空券とは?

一言で表すと「複数のスターアライアンス加盟航空会社を組み合わせて、特典マイルで地球を一周できる特典航空券」です。

東回りか西回りで一方向に進みながら、最大16フライトまで可能なのが魅力で、通常よりも相当相当少ない特典マイルで航空券を手配できます。特にビジネスクラスがお得に発券できる傾向があります

対象航空会社

スターアライアンス加盟の全航空会社が利用できます。例えばANA、ユナイテッド航空、ルフトハンザドイツ航空、シンガポール航空、エアカナダなど世界26社(2025年現在)が加盟しています。

旅程の方向

地球を東回りまたは西回りの一方向に進む必要があります(途中で逆方向に戻ることは不可)。また、太平洋と大西洋をそれぞれ1回ずつ横断しなければならず、出発地とは異なる複数の大陸を巡る行程になります。

発着地

出発国と最終帰着国は同一である必要があります。「同一国内」であれば都市が違ってもOKということが見逃しがちなポイント(例:東京→ニューヨーク→パリ→上海→大阪がOK)

距離と区間数

旅程全体の飛行距離マイルの合計に応じて必要特典マイル数が決まります。飛行機区間は最大12区間まで組むことができ、さらに最大4区間までのオープンジョー(自力移動)も旅程に含めることが可能です。

オープンジョー(自力移動)部分の距離は特典マイル計算に含まないことも、大きなポイントの一つです。

飛行距離を示す「1マイル(=1.6km)」と、特典としての単位の「マイル(マイレージとも呼ぶ)」が、同じ「マイル」という単語を使って説明されることが多く、混同しないようにしましょう。

旅程の全距離
(1マイル=1.6km)
エコノミークラス
必要特典マイル
ビジネスクラス
必要特典マイル
ファーストクラス
必要特典マイル
4,001-7,00038,00063,00090,000
7,001-9,00043,00068,000100,000
9,001-11,00055,00085,000120,000
11,001-14,00060,00090,000140,000
14,001-18,00065,000105,000160,000
18,001-20,00075,000115,000180,000
20,001-22,00085,000125,000200,000
22,001-25,000100,000145,000220,000
25,001-29,000120,000170,000260,000
29,001-34,000140,000200,000300,000
34,001-39,000160,000220,000340,000
39,001-44,000180,000270,000390,000
44,001-50,000200,000300,000450,000

なお、今回私たちが発券した旅程は距離が28,424マイル(=45,478km)だったため、必要特典マイルは120,000マイル/人でした。(上表で緑でハイライトしている部分です)

途中降機 (ストップオーバー)

最大8回まで途中降機が可能です。ただしヨーロッパ地域では3回まで、日本国内では4回までという制限があります。ただし、乗継ぎのため24時間未満の滞在は途中降機に数えません。

旅行期間

出発から最終区間まで最低10日以上経過している必要があります。極端に短期間で一周することはできません(例:日本を10月1日に出発した場合、日本に戻る便は10月11日以降でなければなりません)。

商社では出張旅費を抑えるために世界一周航空券を使うことがありますが、その場合は10日間以上の出張が必須ということになります。

予約・発券方法およびその他費用

特典航空券の場合はウェブからの予約はできず(有償航空券の場合はWebでも可)、電話で予約・発券する必要があります。日本ではANAマイレージクラブのデスクに電話して予約を行います。発券時には全旅程の予約を一括で行う必要があるため、事前にある程度空席状況を調べてルート案を用意しておくとスムーズです。

発券後の日程変更は無料で可能ですが、旅程変更は1回あたり125米ドルの手数料かかります。

特典航空券でも別途燃油サーチャージや空港税等が必要です。燃油サーチャージ額は利用航空会社や路線によって大きく異なるので、経路によっては現金負担が高額になる場合もあります。例えば燃油代が高い欧州系航空会社を多く利用するとサーチャージ合計が大きくなりますので、経路検討時に考慮しましょう。

私たちは最も距離の長い区間(日本→ヒューストン→ブエノスアイレス)を、特典航空券なら燃油サーチャージがかからないことで有名なユナイテッド航空で発券したため、この追加費用が大幅に抑えられました。

まとめ

以上のルールに従えば、複雑に見える世界一周特典も構成自体はシンプルです。例えば「東京→ニューヨーク→フランクフルト→シンガポール→東京」という東回り旅程を組めば、太平洋と大西洋を各1回横断し、北米・欧州・アジアの3大陸を巡って出発地に戻ることができます。このように一方向に進んで地球を一周すれば、スターアライアンス各社の路線網を駆使して自由度の高い旅程を作成できます。

これは、スターアライアンス世界一周「特典」航空券が廃止された後でも、世界一周「有償」航空券でも共通ルールが多いため、ご参考にしていただければ幸いです。また別の機会で「有償」と「特典」の違いについてのまとめ記事も作成します。

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