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空室を埋めろ! 大家が2日で60以上の不動産屋に突撃してきた話

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急に5部屋の空室で空室率50%…!ピンチ

私(夫)の保有アパート物件の1つは神奈川県横須賀市に所在しているのですが、そこで急に10部屋中5部屋も空室が出てしまいました。とある法人に5部屋を社宅として貸していたのですが、入居者の勤務先が倒産してしまい出て行かざるを得なくなったとのこと。

空室は大家にとって一番のリスク・悩み事と言っても過言ではありません。銀行の返済を差し引いても当物件におけるキャッシュフロー(手取り収入)はまだ黒字なので一旦は大丈夫ですが、思い描いていた家賃収入が得られない状況は心がざわざわします。

大家自ら、地場不動産会社へ突撃アタック

契約している管理会社も、ネット掲載や各不動産会社に電話での紹介等いろいろやってくれていましたが、ちょうど賃貸募集閑散期の真っただ中の夏。なかなか進捗は思わしくなく、焦りは募る一方…。
そこでオーナー自ら足を運んで熱意を伝える作戦にでることに。その数なんと2日間で60社以上

実際に60社に足を運んで有効な面談だったのは31社
名刺交換できなかった会社は、担当者が不在だったり、賃貸仲介をやっていない会社だったり、私の物件のエリアは取り扱わなかったり、土地柄アメリカ海軍向け(通称ベース賃貸)専門会社が多かったり、なぜか理由なく門前払いされたり…。

久々のTHEどぶ板営業で、一軒目こそ柄にもなく少しドキドキしたりしましたが、次第にリズムを掴んできて提案の型みたいなものが自然に生まれ、途中からは楽しくなってきたのでした。
私が新卒で入社した某銀行において、20代で新規開拓専業部署で飛び込み営業ばかりしていた頃のバイタリティを思い出し、「やはり人生、無駄な経験なんて何一つないな」と改めて感じた経験となりました。

事前に準備したこと・もの

不動産会社の訪問ターゲットリスト

  • 管理会社に協力を仰いで、私の保有物件付近の快速特急電車停車駅の駅前に所在する不動産会社のうち、賃貸仲介実績が多い会社や、私のエリアに強いと思われる会社をピックアップしてリスト化。
  • 事前に「次の土日でオーナーがご挨拶に伺いたいと申しているので、都合が付けばお会いいただきたい」と、時間を決めない緩いアポを事前に取得
  • 結局は事前のアポの数倍の会社に飛び込み営業に行くことになりましたが、アポを取って悪いことは当然ありませんでした。

物件資料と部屋の中がわかる詳細な写真

  • こちらも管理会社に基本的に作ってもらい、私が細かくチェックをして見た目や文言を修正。
  • 裏面には、バスルーム・トイレ・エアコンや設置済家具家電の詳細な写真を掲載。
  • A4でカラー印刷したものを200枚準備

この日のために特注した物件情報入りの名刺

  • 私の氏名・連絡先等の情報の他に、物件情報や物件資料PDFをダウンロードするためのQRコード、スーモに掲載中の物件ページURLに飛ぶQRコードを載せた特製名刺を作成。
  • ラクスルで名刺100枚がたったの500円で作れました。ネットで完結して郵送までしてくれるので非常に便利。おすすめです。

本当は簡単な手土産を持参しようかとも思っていましたが、今回は初飛び込みということで相手のテンションがわからず、無駄打ちになる場面が多くなりそうであることが予想されたため、敢えて手土産無しでいきました。結果的に正解だったと思っていますが、次回以降は親身に動いてくれるところには手土産作戦を敢行していきたいと考えています。

突撃営業を終えてからのアフターフォロー

訪問先への御礼メールと資料送付

  • 毎日百何十人が訪問してくるであろう不動産会社なので、いちいち顔を覚えてくれていないと思われます。
  • いただいた名刺に書かれている担当者の一人一人にお礼のメール(文面はコピペ)をして、持参した書類のPDFファイルも添付でつけて印象付けます。

管理会社へのフィードバックと今後の作戦会議

  • 管理会社が取ってくれていたアポのうち、訪問できた先とできなかった先の整理。
  • 急遽追加で訪問した先(むしろそれが大半)のリストアップと、今後の定期的な物件情報提供先のリストの更新。
  • 31社から得た生の反響を反映させた物件資料の再作成や、案内メールの工夫に向けての協議。

このあたりは、私がこれまでのキャリア(銀行の法人営業マン・総合商社マン)で普段当たり前のようにやっていることを落とし込んでいくだけなので、非常に手触り感のある工程です。

大家自ら営業してみた学び・気づき

猛暑の中、オーナー自ら(文字通り)汗水垂らして物件資料を持ち込み、名刺交換をして笑顔で営業をしていくことに対して「熱意があるね」と感じてくれる方は少なくない印象でした。やはり不動産業界自体が良い意味で泥臭くアナログな世界なので、そういう地道な活動を好意的に捉えてくれる人は多かったです。

また、ネット掲載や電話で管理会社が普段営業をしてくれてはいるものの、「初めてこの物件見ました」とおっしゃった方が90%以上だったので、直接会って物件を認知させることの大切さを身に染みて感じたのも良い経験に。

一部の不動産会社は、私が訪ねて行った30分後にはもう私の物件に行って写真撮りをする等、早速客付けに向けて動いてくれていたところも何社かあり、そういうやる気のあるところはこれからも大事にしたいなと思った次第です。

31社回ろうが100社回ろうが、空室が埋まれば成功、埋まらなければ失敗というシンプルな世界。サラリーマンと違って「31社も回ってえらいね」と声をかけてくれる上司や後輩は誰もいません。結果が全ての世界だということを改めて感じながらも、退職後営んでいく大家業についての覚悟をもっと持たねばならないなと考えさせられた2日間でした。

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この記事を書いた人

大手総合商社(夫)・大手外資メーカー(妻)の30代夫婦。地方高利回りアパートをお互い複数棟所有し、大家としても活動。近々退職し、3ヵ月のスペイン語留学を経て1年以上の世界一周に旅立つ予定。
「せかすぺ」は「世界一周」「スペイン語留学」の2文字ずつとった造語。わかりにくくてごめんなさい。

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